「正しさ」よりも、「やさしさ」で選ぶ日もある
※本記事には、認知症ケアに関するご本人やご家族の心情、死別の場面に関する描写が含まれます。
介護の現場には、「これが正解です」と言い切れない場面が、いくつもあります。
とくに認知症のご利用者への対応では、思いやりゆえの葛藤が、毎日のように胸をよぎります。
今回は、「大切な事実を伝えるかどうか」で揺れた、とある日の出来事を描いた漫画をご紹介します。
決してひとつの答えを出すのではなく、現場で働く私たちがどんな思いで選択しているのか。
その“やさしさのかたち”を、そっと受け取っていただけたらうれしいです。
【漫画】7. 正解はないけれど…|認知症の方に「事実を伝えるかどうか」で揺れた日
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自分の声に、そっと耳を澄ませる時間になるかもしれません。



認知症ケアにおける「知らせる・知らせない」の葛藤
認知症の方への対応で、最も悩ましい問いのひとつが「大切な事実を伝えるかどうか」です。
とくに、ご家族が亡くなられたことをどう伝えるかは、感情や記憶への影響も大きく、現場でも判断が分かれます。
「本当のことを伝えるのが誠実なのか」
「でも、また悲しませてしまうだけではないか」
その間で揺れる葛藤は、決して他人事ではありません。
漫画のように、ご本人の表情や反応、ご家族の思いを受け止めながら、職員一人ひとりが日々悩み、考えています。
ご本人への配慮と、ご家族の思いのはざまで
あるご家族は「知らせたくない」と言い、別のご家族は「本人にもきちんと伝えてほしい」と望む。
どちらの選択にも、深い愛情と苦悩が込められています。
介護職として、そのお気持ちを尊重しながらも、
ご本人がどのように受け止めるかを日々観察し、判断し続ける——
この繊細なバランスに、経験年数は関係ありません。
正解はなくても、寄り添い方はある。
そんな思いで、現場に立ち続ける職員は少なくありません。
「このままでいいのかな」──
そんな気持ちがよぎったら、話してみるだけでも違います。
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毎日が“答えのない選択”の連続
今日の「正解」が、明日の「正解」とは限らない。
同じご本人でも、昨日は伝えてよかったことが、今日は混乱を招いてしまうこともあります。
「これでよかったのか?」
そんな思いが頭をよぎるたびに、自問自答を繰り返す日々。
でも、それは「正しさ」を求めているからではなく、
目の前の方を大切に思っているからこその悩みなのだと思います。
日々の判断には、いつも“やさしいまなざし”が込められているのです。
現場にあるのは「正しさ」より「心のやさしさ」
この漫画が描くのは、「どちらが正しいか」ではなく、「どちらにも理由がある」という現場のリアルです。
毎回涙を流すご本人に、つらい思いをしてほしくない。
でも事実を伝えることも、大切な尊厳のひとつ——
そのどちらも大切に思えるからこそ、選び続けるのは苦しいのです。
介護職は、常に「心のやさしさ」で判断をしています。
それは教科書には載っていない、けれどもっとも人間らしい“選択”なのかもしれません。
ここまで読んでくれたあなたへ。
少しでも「自分のこと」と感じたなら、大丈夫。ちゃんと選べます。
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自分を責めずに、そっと未来をのぞいてみませんか?
まとめ|どんな選択にも、「心」があった
亡くなったことを伝えるか、伝えないか——
そこには、ご家族の思い、ご本人の状態、そして現場職員の迷いや願いが重なっています。
どんな選択であっても、そこに“心のやさしさ”があったなら、きっと間違いではない。
この漫画が、同じように悩みながら日々を支えている方々に、
「わかるよ」「それでいいよ」と声をかけるような存在になれたらうれしいです。
正解はないけれど、
そのやさしさが、今日も誰かを支えていることを信じて——。
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このブログを書いている「まきこむ」と申します。
介護支援専門員(ケアマネジャー)として働きながら、趣味で創作活動も楽しんでいます。
介護にまつわる悩みや、日々の気づき、そして「やさしい未来を一緒に歩むためのヒント」を、このブログにそっと詰め込んでいます。
読んでくださった方の心が、少しでも軽くなるように。そんな思いを込めて、言葉を紡いでいます。
どうぞ、ゆっくりと遊びにきてくださいね。

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