―介護の現場で広がる“美容レク”というやさしい時間―
ご高齢者施設や在宅介護の現場で、
最近そっと注目を集めているレクリエーションがあります。
それが、メイクやネイル、ヘアアレンジなどを通じて行う美容レク。

「きれいになりたい」
「今日の自分を、ちょっと好きでいたい」
──そんなご本人の静かな願いに寄り添う、新しいケアのかたちです。
眉を整えたり、爪に色をのせたり。
その小さな“選択”や“手順”のひとつひとつが、
ご本人の自己表現や心の動きをそっと引き出してくれます。
誰かと一緒に選ぶ色。
「似合ってるよ」とほほえみ合う瞬間。
そんなやりとりが、会話や笑顔を自然と生み出し、
日々の暮らしに“ふんわりとした灯り”を灯してくれるのです。
《用語解説:美容レク》
「美容レクリエーション」の略。
ネイル・メイク・スキンケア・ヘアアレンジなどの美容的要素を取り入れたレクリエーション活動のこと。
介護施設や在宅介護の場で、心のケアやQOL向上を目的として行われます。
美容レクが引き出す“その人らしさ”
―心に灯る、ケアのもうひとつのかたち―
介護の現場で、美容を取り入れた美容レクリエーション(美容レク)が
少しずつ、あたたかい注目を集めています。
髪を整える、眉を描く、ネイルに色をのせる──
そんなささやかなケアの時間が、ご本人の「自分らしさ」をそっと引き出してくれます。
「今日はこの色がいいかな?」
「似合ってる?」と誰かに尋ねるその瞬間。
それは、“自分で選ぶ”喜びが生まれたサインかもしれません。
外見が整うことで、心が少ししゃんとする。
気持ちが整うことで、「今日は話してみようかな」と思える。
そんな連鎖が、レクリエーションを通じてゆっくりと育まれていきます。
- 自分らしさを表現できる時間が生まれる
- 整った見た目が、自尊心や誇らしさを支える
- 今日を過ごすモチベーションが静かに芽生える
- レクに参加することで、役割や居場所を感じられる
- ケアスタッフとの距離がふっと縮まり、会話がやさしく育つ
美容レクは、特別な技術がなくても始められます。
大切なのは、「この人らしくいられる時間って、どんなものだろう?」と想像するまなざし。
そのひと工夫が、笑顔と信頼の種をそっとまいていくのです。
「自分で選ぶ」ことが生む、心のうれしい変化
―“これがいい”と決められる時間が、自信を育てる―
美容レクの時間は、ただ誰かに整えてもらうだけの時間ではありません。



「今日はこの色がいいな」
「この香り、好きかも」──
そんな“自分で選ぶ”楽しさこそが、
ご本人の中に眠っていた自信や主体性をそっと呼び覚ましてくれるのです。
たとえほんの小さな選択でも、
「私が選んだ」という感覚は、満足感と前向きな気持ちを育ててくれます。
ご本人の気分や好みに合わせて、やさしく寄り添いながら。
「今日はどんな色が気になりますか?」と問いかけるだけでも、
その日のケアは、ぐっと“その人らしい時間”へと変わっていきます。
- カラーパレットの中から、お気に入りの色を自分で選ぶ
- ネイルシールやラメを組み合わせて、“自分だけのアート”を楽しむ
- 香り付きクリームや自然派オイルで、好きな香りをまとってみる
- 髪飾りやスカーフを季節に合わせて選び、装いに彩りを添える
- メイクブラシやスポンジも、「今日はこれで」とご本人に選んでいただく
“選べる”ということは、“まだできる”という実感につながります。
そのひとつひとつの選択が、
ご本人の心にやさしく灯をともしてくれるのです。
会話が生まれ、関係がやさしく深まっていく
―“きれいにする時間”が、“心を近づける時間”に―
美容レクは、ただのケアではなく、
人と人とのつながりをそっと育ててくれる時間でもあります。
たとえばメイクをしながら、



「この色、似合うかしら?」
「昔はどんな髪型だった?」
そんなふうに自然な会話が生まれます。
何気ないやりとりのなかで、
思い出がよみがえったり、趣味の話に花が咲いたり。
声を出して笑ったり、共感したりするうちに、
場の空気がふんわりとやわらかくなっていきます。
- メイク中の色選びをきっかけに、自然なトークが広がる
- ネイルデザインを一緒に考えながら、「私はこれが好き」と好みを語り合う
- ヘアセットの時間に、「若いころはね」と昔話がぽつりとこぼれる
- グループで仕上がりを見せ合い、「その色素敵ね」とお互いをたたえ合う
- 写真撮影や記念アルバムの作成で、「またやりたいね」の声が増えていく
この小さな会話の積み重ねが、
ご本人の笑顔を引き出し、
スタッフとの信頼関係を少しずつ深めていくのです。
“ふれあい”が生まれる美容レクは、
ケアそのものの質を高め、
施設全体をあたたかく包み込む力を持っています。
さまざまな実践例から広がる可能性
―小さな工夫から、本格的なケアまで―
美容レクは、特別な準備がなくても始められます。
ご利用者の「やってみたい」気持ちに寄り添えば、
小さなスペースでも、あたたかく充実したケアが生まれていきます。
最近では、施設の環境やご本人の状態に合わせて、
さまざまな工夫やスタイルで美容レクが行われるようになっています。
- 移動式のメイクカートで、居室やフロアでも気軽に美容タイム
- 季節をテーマにしたカラーイベント(春の桜色、夏の涼色など)
- ネイル体験ができる“ネイルステーション”を設置して自由に参加
- ウィッグや髪飾りを試着できるコーナーで「似合うね」のやりとりを
- 専門スタッフによるやさしいスキンケア講座を開催
季節感を取り入れたり、選べる楽しみを添えたり。
こうした小さな工夫が、ご利用者の「また参加したい」という気持ちを引き出してくれます。
無理のない範囲で、できるところから。
その積み重ねが、施設全体の空気をふわっと明るくする力になっていきます。
メイク・ネイル・ヘアセットの工夫
―“やさしさ”と“楽しさ”を両立するために―
美容レクを安心して楽しんでいただくためには、
「安全に使えること」と「気持ちが華やぐこと」の両方が大切です。
ご高齢者のお肌や手の動きをふまえて、
ちょっとした道具の選び方や、進め方の工夫をすることで、
より心地よく、より楽しく、彩りの時間が広がっていきます。
- 敏感肌にも使えるやわらかな化粧品(無香料・ウォータープルーフ)を選ぶ
- 速乾タイプのネイルや、塗りやすい筆先で「待つ時間」の負担を軽減
- 持ち手が太くて握りやすいブラシで、使う楽しみもサポート
- ヘアクランプや軽量ウィッグで、簡単に「似合う」が見つかる時間に
- スタッフ用の色見本パネルを活用しながら、「この色、どう思いますか?」と自然な対話を
- 仕上がりの記念にフォトブースで撮影タイム──ちょっとしたドレスアップも楽しみのひとつ
ほんの少しの“選び方の工夫”と“声かけのやさしさ”で、
その方らしさがふっと輝く瞬間が生まれます。
今日のひとときが、
「ちょっと素敵だったな」と思えるような、あたたかな時間になりますように。
季節やイベントに合わせた演出
―指先やほほに、そっと四季をまとう楽しみを―
美容レクに、季節の色やイベントのモチーフをほんの少し添えるだけで、
そのひとときは、ぐっと特別で、心が浮き立つ時間になります。



「今日は桜の色にしてみましょうか」
「涼しげなアザミ色が気持ちよさそうですね」
そんな会話のきっかけが自然と広がり、
ご利用者の表情にも、やわらかな季節の風が吹き始めます。
- 春:
・ふんわり桜色のリップで春をお迎え
・花びらシールで彩る、やさしいネイルアート - 夏:
・涼やかなブルーやミントグリーンのアイシャドウ
・ひんやり感を楽しめるミストスプレーも人気 - 秋:
・ベージュやブラウンの落ち着いたネイルで季節の深まりを
・ほんのりボルドーのチークで実りの印象を添えて - ハロウィン:
・かぼちゃ色のネイルシールや、ワンポイントのフェイスシールで遊び心を - 冬・クリスマス:
・クリスマスレッドの口紅や、キラリと光るグリッターで華やぎを演出
「今日は、何色が気分ですか?」
そんなやさしい声かけから始まる、その方らしい季節の楽しみ。
ほんの少し色を添えるだけで、
心の中に灯る季節の思い出が、そっとよみがえるかもしれません。
準備と進行のポイント
―安心して楽しんでもらうための、ちいさな配慮を―
美容レクは、「ただきれいにする時間」ではありません。
その方のこころにふれる時間だからこそ、
スムーズで、やさしい進行が大切になります。
事前に少しだけ丁寧な準備をしておくだけで、
そのひとときが、ずっと穏やかで安心感のある時間に変わっていきます。
- 参加者の気持ちを知るアンケート
「どんな色が好き?」「香りは大丈夫?」──
事前にそっと聞いておくことで、当日がもっと心地よく。 - アレルギーや肌質をチェック
敏感肌や体調の変化に配慮して、使うものを丁寧に選びます。 - 道具と化粧品を“ひとまとめ”に
必要なものはリストにして、ポーチやトレイにまとめておくと、
慌てず、静かに進行できます。 - スタッフ同士で役割と流れを共有
進行役とアシスタントが、声かけ・手元・記録などを分担して、
ご本人への対応に集中できる体制を。 - やさしい休憩の時間をはさむ
夢中になっても、疲れすぎないように。
「少しお茶にしませんか?」のひと言で、気持ちがふっとほどけます。
美容レクは、気持ちを整える時間でもあるからこそ、
“段取り”よりも“やさしさ”を大切にしたいもの。
準備と進行は、裏方の仕事に見えて、
ご本人の笑顔をそっと支える大切な土台になります。
負担をかけない道具選び
―“やさしさ”から始まる、安心できるレクの工夫―
美容レクを楽しんでもらうには、



「できるかも」
「気持ちいいな」
そのための第一歩が、からだにやさしい道具選び。
ほんの少しの気づかいが、ご本人の「またやりたいな」を引き出してくれます。
- しっかり持てるブラシを用意する
握力が弱くても持ちやすい、ラバーグリップ付きのメイクブラシなら、
手になじみやすく、使うのも楽になります。 - お肌にやさしいベースメイク
無香料・無着色で、保湿成分のある下地を選べば、
乾燥しやすい肌にも安心して使えます。 - 時間短縮で疲れにくく
速乾タイプのネイルコートや、ポンと置くだけで仕上がるネイルチップを使えば、
施術の時間も短く、負担もぐっと少なくなります。 - よく見えるように、鏡にもひと工夫
軽くて持ちやすいミラーや、拡大鏡つきの鏡があると、
表情を確認しやすく、ご本人も安心です。 - 落ちにくくて長持ちするアイメイク用品
ウォータープルーフのアイライナーやマスカラは、にじみにくくて快適。
「きれいが長続きする」という満足感も得られます。
「これなら自分にもできるかも」
そんなふうに思っていただける道具を選ぶことで、
美容レクのひとときは、もっと安心で、もっと楽しい時間になります。
道具のやさしさは、ケアのやさしさにもつながっています。
声かけとタイミングの大切さ
―“ことば”がそっと届ける、安心と自信の時間―
美容レクの時間は、
ただ見た目を整えるだけの時間ではありません。
スタッフのひと声が、ご本人の心をふっとほぐすきっかけになることがあります。
その声かけが、「ここにいていいんだ」と思える安心になったり、
「やってみようかな」と思える勇気になったり──
ちいさな言葉の力が、レクの質をそっと引き上げてくれるのです。
- まずは、今日の流れをやさしく伝える
「今日はこんなことをしますね。無理のない範囲で大丈夫ですよ」
最初にそう伝えるだけで、ご本人の緊張がふっと和らぎます。 - 色選びやデザインのときは“選ぶ楽しみ”を一緒に味わう
「この色、お好きでしたよね?」「どちらが今日の気分ですか?」
選ぶ過程を大切にしながら、自己決定の喜びを支えましょう。 - 仕上げの途中で、さりげないほめ言葉を添えて
「とってもお似合いです」「目元がパッと明るくなりましたね」
そのひと言が、自分に自信を持てるきっかけになります。 - 疲れや迷いを感じたときには、立ち止まることも大切に
「少し休憩しましょうか?」「無理しなくていいですよ」
様子を見て、選べる余白のある言葉を添えることが安心につながります。 - 終わったあとは、次の楽しみを一緒に描く
「今日はどうでしたか?」「次はどんな色がいいですか?」
振り返りのひとときが、ご本人の心に小さな楽しみの種をまいてくれます。
やさしい声かけは、
“その人らしさ”をそっと引き出すスイッチになることがあります。
言葉の選び方とタイミング。
そのちいさな積み重ねが、今日のレクを「またやりたい時間」に変えてくれるのです。
「その人らしさ」を支えるレクに
―見た目だけじゃない、“心の軸”にふれるケアのかたち―
美容レクのほんとうの目的は、
ただ「きれいにすること」ではありません。
鏡に映ったご自身を見て、
「私、まだまだ大丈夫」
そんなふうに、心の中でふっとつぶやいてもらうこと。
誰かと笑い合い、
「あなたの色、すてきね」
そんな一言をきっかけに、自分らしさを取り戻していく──
その“心の変化”こそが、美容レクの本質です。
- その方だけの“色・香り・スタイル”を記録しておく
昔好きだった色、長年続けてきたスタイル──
そんなライフヒストリーを、次の提案のヒントに。 - レクのあとは、そっと振り返る時間を
「今日はどうだったかな」「またこの色使いたいな」
小さなフィードバックの積み重ねが、継続の力になります。 - 個人とグループ、両方の心地よさを大切に
静かに整えたい日もあれば、みんなと笑い合いたい日もある。
その時々の気分に合わせて選べる余白を用意しておきましょう。 - 作品をシェアする、小さな交流会を
「今日はこんなネイルにしたよ」「あなたのチーク、似合ってる」
互いにほめ合う場は、自信とつながりを育む時間になります。 - 見た目だけでなく“心の変化”を記録に残す
笑顔が増えた、会話が弾んだ──
そんな瞬間の記録が、ご本人のモチベーションと、スタッフの喜びにもつながっていきます。
“その人らしさ”とは、
好みや過去、そして今の気分が重なり合ってできているもの。
美容レクがその一部になれたとき、
ケアの現場には、静かであたたかな希望が生まれていきます。
明日も「今日もいい日だった」と思えるような、
そんなレクリエーションを、一緒に育てていきませんか。
見た目が変わると、心もそっとほどけていく
―“きれいになること”が、心をそっと後押しする理由―
美容レクリエーションの時間。
メイクでほんのり頬に血色が宿ると、
鏡の中のご自分に、ふっと笑顔が浮かぶ──
そんな瞬間があります。
外見が整うことで、
心の中にもあたたかな光が差し込むことがあります。



「もう一度、おしゃれしたい」
「この色、昔好きだったな」
そんな気持ちがそっとよみがえるのは、
その方が“自分らしさ”を思い出している証です。
- メイクで血色が戻り、表情に生き生きとした力が宿る
- カラーを選ぶことで「私はこれが好き」と気づく時間に
- 髪型や装いが変わると、気持ちも自然と前を向く
- 鏡を見ながら微笑むと、自律神経も落ち着いてくる
- 写真に残して「この時の私、いい表情だね」と実感できる
見た目の変化は、自己肯定感をやわらかく育ててくれます。
「わたし、まだまだ大丈夫」
その実感が、暮らしの中に小さな意欲の芽を生み出していくのです。
大切なのは、その方の“もともとの美しさ”を尊重しながら、
新しい色やスタイルにもチャレンジしていただけるよう、
やさしく背中を押すこと。
美容レクは、外見のケアを通じて
心の奥にそっとふれる、もうひとつの大切なケアです。
家族もスタッフも、笑顔になれる時間
―“きれいになったね”から始まる、やさしいつながり―
美容レクリエーションの時間は、
ご本人だけでなく、まわりにいるすべての人の心をあたたかくしてくれます。
ご家族が面会に訪れたとき。
ネイルや髪型が整った姿を見て、
「わぁ、すてき」と声をかけながら、笑顔がこぼれる──
そんなやさしいひとときが、自然と生まれます。
日常の介護の中にそっと差し込むその時間は、
ご家族にとっても、ほっと安心できる心の休憩時間になるのです。
スタッフにとっても、
美容を通じたケアは“ふれあい”の喜びを再発見できる時間。



「こんな色が好きだったんですね」
「きょうは、ちょっと笑顔が多いかも」
そんな気づきが、職場全体にやさしい連帯感をもたらします。
- ご家族の面会時、自然な会話が生まれる
- スタッフ同士でレクのアイデアを共有し合える
- 「ビフォー・アフター」に一緒に喜ぶ時間が生まれる
- 記念撮影や写真カードの贈り物で思い出を共有
- 定期レクの報告を通じ、ご家族にポジティブな変化を届ける
ご本人・ご家族・スタッフ。
その誰もが、“美容の時間”を通じて主役になれる。
その場に笑顔が交わるとき、
「この場所でよかった」と思える信頼がそっと育まれていきます。
美容レクは、ケアの質を高めるだけでなく、
その場にいるすべての人の心を、少しだけ軽くしてくれる──
そんな、しあわせのきっかけになってくれるのです。
まとめ|美容レクが紡ぐ、笑顔の未来
―“その人らしさ”にふれるケアのかたち―
美容レクリエーションは、
ただ見た目を整えるだけの時間ではありません。
選ぶ楽しみ、映る自分へのときめき、
ふいにこぼれる笑顔と、自然に始まる会話。
そのすべてが、“その人らしさ”をやさしく支えるケアになります。
メイクやネイル、ヘアセット──
小さなひと手間の積み重ねが、
「自分で決められた」「誰かと笑い合えた」という自信につながっていきます。
季節の彩りを取り入れたり、
手にやさしい道具を選んだり、
心に届く声かけのタイミングを見つけたり。
そんな細やかな工夫が、
ご利用者だけでなく、ご家族やスタッフにも
「この時間が好き」と思える空気を届けてくれます。
美容レクの時間は、
心の奥にある“自分を大切に思う気持ち”に、そっと火を灯すひととき。
これからのケアの現場に、
もっとやわらかく、もっとあたたかい変化が広がっていきますように。
あなたの施設でも、
小さな眉ひとつからはじまる未来を、今日から紡いでみませんか。
よくある質問(FAQ)
Q1. 美容レクは、どんなご利用者にも向いていますか?
A. はい。お身体の状態や皮膚のコンディションを確認しながらであれば、どなたでも安心してご参加いただけます。肌にやさしい道具を使えば、無理なく楽しんでいただけますよ。
Q2. 認知症のある方でも参加できますか?
A. もちろんです。色を選ぶ、鏡を見る──そういった工程が記憶や感情をそっと刺激し、表情がやわらかくなる方も多くいらっしゃいます。
Q3. 美容の技術がないスタッフでも実施できますか?
A. 大丈夫です。大切なのは「整える」ことよりも「ふれる」「話す」「一緒に楽しむ」こと。最初は簡単なケアから始めてみてください。練習も、素敵なレクの一部です。
Q4. ご本人が興味を示さないときは、どうすれば?
A. 無理にお誘いせず、「この色、昔好きだったかな?」など思い出につながる話題をきっかけにしてみてください。周りの方が楽しんでいる姿を見ることで、関心がふっと芽生えることもあります。
Q5. 使う道具はどんなものがいいですか?
A. 握りやすいブラシ、低刺激のスキンケア用品、速乾ネイルなど、負担の少ないアイテムがおすすめです。鏡やタオル、使い捨ての道具も揃えておくと安心です。
Q6. 実施時間の目安はどれくらい?
A. ひとりあたり15~20分程度が目安です。途中で疲れやすい方には、休憩をはさみながら無理なく進めてください。
Q7. 効果はどうやって感じ取れますか?
A. 表情がやわらいだり、会話が増えたり。「またお願いね」と言ってもらえたときは、きっと心に届いている証拠です。スタッフ同士で気づいた変化を共有すると、より感じやすくなります。
Q8. 家族にも参加してもらえますか?
A. はい。面会時に一緒に色を選んだり、完成した姿を見て写真を撮ったり──家族との新しいふれあいの時間になります。ぜひ巻き込んでみてくださいね。
Q9. 施設として継続的に取り組むには?
A. 季節のイベントと組み合わせたり、写真アルバムをつくったり。少しずつ“楽しみの習慣”になるよう工夫すると、参加率や満足感も高まります。
Q10. 美容レクの目的ってなんですか?
A. 「きれいにする」ことだけでなく、「その人らしさ」にふれることです。鏡の中の自分にほほえんだ瞬間、きっと心にやさしい光が灯っているはずです。
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このブログを書いている「まきこむ」と申します。
介護支援専門員(ケアマネジャー)として働きながら、趣味で創作活動も楽しんでいます。
介護にまつわる悩みや、日々の気づき、そして「やさしい未来を一緒に歩むためのヒント」を、このブログにそっと詰め込んでいます。
読んでくださった方の心が、少しでも軽くなるように。そんな思いを込めて、言葉を紡いでいます。
どうぞ、ゆっくりと遊びにきてくださいね。


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