小さな“ふざけ心”が、介護の空気をやわらかくする
介護の現場では、まじめに、誠実に…が大前提。
けれど、ほんの少し「ふざける心」や「なりきる演技」が入るだけで、
その場の空気がふっとあたたかくなる瞬間があります。
今回のゆるっと介護漫画では、
- 痛みを“ごっこ遊び”で乗り越える魔法の呪文
- 支え合う中で起きる、思わぬ“目線”のズレ
- イベントの裏で奮闘する、“現実”のあたたかさ
そんな、笑えてちょっとじんとする3つのエピソードをお届けします。
どれも、介護の現場で働くあなたに、
「あるある!」と共感してもらえたらうれしいです。
【漫画】11. ごっこ遊び|その痛みも笑顔に変わる“魔法の呪文”

痛いけど、ちょっと楽しいのはなぜ?
介護現場で、思わぬところに“痛み”はつきものです。
とくに移乗介助や更衣介助の場面では、爪が食い込んだり、思いがけず強くつかまれたり…。
毎日のように痣が絶えない——そんなリアルな声に、介護職なら一度はうなずいたことがあるのではないでしょうか。
この漫画では、その「痛い場面」を、あえて「ごっこ遊び」という形に変えています。
「魔法の呪文で治すね」「怖くないよ」
そんな言葉のやりとりは、単なる冗談や演技ではなく、
“心を守る術”であり、職員とご利用者とのあいだにある温かな信頼の現れでもあります。
もちろん、本当に痛いときは、しっかり声をあげて対処することも大切です。
それでも時には、こんなふうに“なりきる”ことで、笑いに変えられる瞬間がある——
それが介護の奥深さであり、チームで乗り越える知恵でもあるのかもしれません。
「なりきる」ことで笑顔がうまれる場面も
最後のコマでは、ちょっとした妄想(?)が炸裂します。
「この子を私にくださいな!」——さすがにこのセリフはNGですが(笑)
つらい場面や痛みを、“ちょっとふざける”ことでやわらげようとする姿勢に、
読者の皆さんも思わずクスッと笑っていただけたのではないでしょうか。
介護の仕事は、感情も体力も揺さぶられる日々の連続です。
でも、そこに“演じる余裕”や“ふざける遊び心”があると、
職員自身の心もふっと軽くなる瞬間があります。
現場で起こる些細なやりとりが、
ただの“痛み”で終わらず、“笑い”や“信頼”に変わることもある——
それを伝えたくて、この漫画が生まれました。
※このエピソードはすべてフィクションですが、
日々の介護現場での共感を込めて描かれています。
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自分の声に、そっと耳を澄ませる時間になるかもしれません。
【漫画】12. 目線|支える手と、すれ違う視線の先にあるもの

歩行介助の距離感と、思わぬ戸惑い
歩行介助では、ご利用者のバランスを保つために体の一部をしっかり支える必要があります。
関節や肩甲骨を支えることは、ふらつき防止や転倒予防の基本でもあります。
でも、実際の現場では“支えたその先”に、予期せぬ事態が起こることも……。
体を支える距離が近くなることで、職員の体にご利用者の目線や手が触れる、そんな瞬間に戸惑った経験がある方も少なくないのではないでしょうか。
この漫画は、そうした“気まずさ”や“笑いそうになる瞬間”を、あえてユーモラスに描いています。
リアルすぎて誰にも言えなかったことに「わかる!」と笑い合えることで、少しだけ心が軽くなる、そんな意図があります。
意図せず触れてしまうからこそ、ケアにユーモアを
介護の現場では、“意図せず起きること”にどう向き合うかが問われます。
このエピソードも、職員側に悪意や不注意があるわけではなく、ただ、ご利用者のバランスを守ろうとした結果、ちょっとした“接触”が起きてしまう——というリアルな一場面です。
もちろん、信頼関係があるからこそ笑って流せるケースもあれば、逆にご本人の尊厳や感情に配慮すべき場合もあります。
大切なのは、「触れたかどうか」ではなく、「その後どうフォローするか」。
思わず笑ってしまう場面でも、決して軽く扱わず、でも深刻になりすぎず。
その“まんなか”のやさしさが、介護のプロとしての温かさなのだと思います。
※本作では一部、性的な表現に類似する描写がありますが、あくまで現場で起きうるコミュニケーションの誤解と笑いを描いたフィクションです。職員やご利用者の尊厳を大切にする視点で構成しています。
「このままでいいのかな」──
そんな気持ちがよぎったら、話してみるだけでも違います。
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【漫画】13. 現実|憧れの裏にある“ケアの裏方”のリアル

夢と現実をつなぐ、ほんの一瞬の演出
イベントやレクリエーションでの“なりきり”や“仮装”は、ご利用者にとって日常に彩りを添える大切な時間です。
でも、現場の裏側では、スカートの丈やサイズ、立ち位置や導線の確保まで、職員たちの緻密な準備が支えています。
この漫画では「舞台裏の現実」が描かれています。
スカートの下からのぞくすね毛、配線をまたぐ姿、ポールの陰に隠れて準備する様子。
どれも“あるある”で、「うちの職場もこうだった!」と笑ってしまう人もいるのではないでしょうか。
見た目はちょっとアレだけど、「喜んでもらいたい」という一心で動いている——
その気持ちが、介護職のあたたかさを物語っています。
どんな姿でも笑ってくれる人がいる幸せ
本気でふざける。
それは、誰かの笑顔を想像して全力で“恥を捨てる”ことでもあります。
今回のように、男性職員がスカート姿で登場することに、
一瞬ひるむご利用者もいるかもしれません。
でも、それを「ふふっ」と笑ってくれる瞬間があるから、やって良かったと思えるんですよね。
「誰かのために変なことをする勇気」は、きっと現場を照らす力になります。
失敗しても、笑われても、スカートが似合わなくても大丈夫。
“笑顔のきっかけ”になれたことが、何よりのケアです。
※本作ではユーモラスな表現の中に、性別に関する演出や視覚的な描写を含んでいますが、
ご利用者の尊厳や安心を損なわない範囲での「現場のリアル」として描いています。表現には配慮を重ねて構成しております。
ここまで読んでくれたあなたへ。
少しでも「自分のこと」と感じたなら、大丈夫。ちゃんと選べます。
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自分を責めずに、そっと未来をのぞいてみませんか?
まとめ|ふざけたっていい。そこに“本気のケア”がある
介護の現場には、正解のないことばかり。
思いがけないハプニングや、説明しにくい笑いのツボも日常茶飯事です。
でも、その中で誰かがふざけて笑ってくれたら、
その場にいた全員の心が、ほんの少しやわらかくなる気がします。
まじめなだけじゃ、やっていけない日もある。
そんなとき、「ちょっとふざける勇気」や「笑ってもらう演出」が、
私たちのケアを支えてくれているのかもしれません。
今日もあなたのケアの中に、
“笑顔のきっかけ”がありますように。
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このブログを書いている「まきこむ」と申します。
介護支援専門員(ケアマネジャー)として働きながら、趣味で創作活動も楽しんでいます。
介護にまつわる悩みや、日々の気づき、そして「やさしい未来を一緒に歩むためのヒント」を、このブログにそっと詰め込んでいます。
読んでくださった方の心が、少しでも軽くなるように。そんな思いを込めて、言葉を紡いでいます。
どうぞ、ゆっくりと遊びにきてくださいね。

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