夜勤明けの不安を減らすには|申し送りで伝えておきたい安心ポイントリスト

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夜勤明けの不安を減らすには|申し送りで伝えておきたい安心ポイントリスト

夜勤明けの申し送りに不安を感じたことはありませんか?  

「伝え忘れていないかな」
「ちゃんと伝わっただろうか」

そんな気持ちを抱えながら、眠気と戦い、責任感で立ち続けている夜勤明けのあなたへ。

ご利用者の命や安心をつなぐ、申し送りという時間。  

けれど、夜勤の終盤はどうしても疲労がたまり、集中力も落ちてしまいます。  

そんな中での申し送りは、思った以上にプレッシャーが大きいものです。

本記事では、そんな夜勤スタッフの“伝える不安”をやわらげるためのヒントをお届けします。

  • 基本情報をもれなく伝えるコツ  
  • 日勤者の安心感につながる「一言プラス」の工夫  
  • チームでカバーし合える申し送り体制づくり

「全部完璧に言わなきゃ」ではなく、 
「大切なことを、チームでつなげる」──  

そんな意識が、申し送りの質をぐっと高めてくれます。

あなたの声が、次のシフトの安心になる。  

そのことを、まずは自分自身が信じてあげてくださいね。

目次

「ちゃんと伝えたかな」と不安になる夜勤明けに

夜勤を終えた静かな朝。  

フロアに差し込むやわらかな光と、眠りにつくご利用者の寝息。  

その中でふと胸をよぎるのは──  

「大切なこと、ちゃんと伝えられただろうか」という不安。

申し送りは、ご利用者の変化や様子を、次の時間帯へとつなぐ大切な架け橋です。  

だからこそ、「伝え忘れていないかな」「あれも言えばよかったかも」と  

終わったあとも、心がそわそわしてしまうことがあるかもしれません。

けれどその不安は、あなたが真剣に向き合ってきた証です。  

申し送りに迷った経験は、夜勤を経験する多くの介護職に共通するもの。  

「ちゃんと伝えたい」という気持ちは、  

すでにチームケアの土台をつくっているのかもしれません。

  • 申し送りで感じやすい“伝えられなかった不安”の背景  
  • 情報の抜けやすいポイントと、整理のコツ  
  • 一言添えるだけで安心が広がる「気づきの伝え方」  
  • チームで申し送りを支え合うための視点

を、わかりやすくお伝えしていきます。

完璧じゃなくても、大丈夫。  

ほんの一言の「気づき」が、次の誰かの安心につながるから。  

このガイドが、そんな一歩のそばにいられたら──  

きっと、朝の空気も少しやさしく感じられるはずです。

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自分の声に、そっと耳を澄ませる時間になるかもしれません。

申し送りは“自分を守るケア”でもある

申し送りというと、「伝えるべき情報をまとめる業務」と捉えられがちですが、 
実はそれ以上に── 
あなた自身を守るための、大切なプロセスでもあります。

夜勤のあいだに見えてきた、ご利用者のわずかな変化。  

たとえば、呼吸が少し浅かったこと。いつもより表情が曇っていたこと。  

それを「気のせいかも」で終わらせず、言葉にして日勤チームに託す。  

この一言が、大きなトラブルを防ぐ“予防のケア”になることがあります。

申し送りが「自分を守る」理由
  • セーフティネットとしての役割
     気づいたことを共有しておくことで、あとから「なぜ対応しなかったのか」と責められる場面を減らせます。
  • 判断と言語化の力を育てる
     「何を伝えるべきか」「どう説明すれば伝わるか」── 
     この整理の習慣が、介護職としてのスキルを深めてくれます。
  • チームケアの土台になる
     小さな違和感も、声に出して初めて気づく人がいます。 
     あなたの発信が、他スタッフの視点を広げるきっかけになることも。
  • 一貫したケアにつながる
     夜勤と日勤、それぞれの気づきがつながっていくことで、 
     ご利用者にとっても「いつでも安心できる」ケアが生まれます。

申し送りは、“伝える”だけではなく、“支え合う”時間。  

「これは言ってもいいかな?」という迷いが出たときこそ、 
それは、チームが必要としている情報かもしれません。

あなたの言葉が、誰かの支えになる。  

そしてその言葉が、あなた自身を守ってくれる。  

そんな循環を、申し送りという時間から始めてみませんか。

申し送りがもたらす5つの価値──ただ伝えるだけじゃない、大切な意味

申し送りは、ただの情報伝達では終わりません。  

そこには、あなたの観察、判断、そしてチームへの信頼が詰まっています。  

ここでは、申し送りが現場にもたらす5つの“見えにくいけれど大切な価値”を整理しました。

① 安全管理の要

夜間のわずかな体調変化を、日勤へとつなぐことは、  

ご利用者の命を守る一歩です。  

「ちょっと熱っぽかった気がする」
「顔色がいつもと違った」  

そんな小さな気づきが、看護師の判断や医療的ケアへとつながります。  

申し送りは、予防のケアの第一歩です。

② ケアの一貫性維持

夜勤と日勤でケアの内容や対応が異なると、 
ご利用者にとっては不安や混乱のもとになります。  

「夜間の水分量」「排泄状況」などを伝えることで、 
次のシフトもその方に合ったケアを継続しやすくなります。  

安心感のあるケアは、チームの連携から生まれます。

③ コミュニケーションエラーの防止

申し送りは、口頭だけでなく記録でも。  

「言ったつもり」「聞いたはず」のすれ違いを防ぐには、 
申し送り表や電子カルテの活用が効果的です。  

伝え方を“複数の手段”で残すことが、安心につながります。

④ プロフェッショナリズムの発揮

気づいたことを自信を持って伝えることは、 
あなたがプロとして現場に立っている証です。  

その積み重ねが、チームからの信頼につながり、 
やがてあなた自身のリーダーシップにもつながっていきます。  

申し送りは、専門職としての姿勢が見える場でもあります。

⑤ 自己肯定感の向上

「自分の申し送りが役に立った」──  

そんな実感は、想像以上にあなたの心を支えてくれます。  

小さな報告が、大きな変化につながったとき、 
介護という仕事の意味が、そっと深まっていくはずです。  

あなたの声が、誰かの役に立っている。  

その実感が、自信とモチベーションにつながります。

申し送りは、ケアの質だけでなく、 
あなた自身の専門性や安心感も育ててくれる大切な営みです。  

自分の気づきを「誰かに渡す」こと。  

それは、チームの未来をつくる優しいリレーかもしれません。

夜勤と日勤、それぞれの視点をつなぐ申し送り

夜勤と日勤──  

同じご利用者をケアしていても、 
見えている世界や優先していることは、少しずつ異なります。

だからこそ、申し送りはただの情報伝達ではなく、 
「視点の橋渡し」として、とても重要な役割を担っているのです。

夜勤者の視点

夜の静寂のなかで、ご利用者の呼吸のリズムや表情のゆらぎが  

日中以上に繊細に浮かび上がります。  

ナースコールに即時対応しながら、 
就寝後の排泄や不穏行動にも目を配る──  

夜勤者は“静けさのなかの小さな変化”に気づく力が求められます。

  • 呼吸や顔色の変化
  • 夜間の排泄状況や水分摂取
  • 眠りの質や途中覚醒の回数
  • 不安定な動作や転倒リスクの兆候

日勤者の視点

一方、日中はリハビリやレクリエーション、 
家族対応など、多職種と連携しながら動く時間帯。  

「今日はどんな状態か?」を早めに把握することで、 
一日のケア方針が整っていきます。

だからこそ、日勤者にとっては 
夜勤中の“わずかな変化”や“前夜の経過”がとても大切な手がかりになります。

視点の違いを“つなぐ”申し送りの工夫

夜勤者が「何をどう伝えるか」を少しだけ意識することで、 
日勤者が「何を知りたいか」とのギャップを埋めることができます。

伝えると喜ばれる情報
  • 睡眠リズム
     寝つきの様子、途中で起きた回数、朝の目覚め  
  • 体調変化
     体温や血圧の数値、呼吸の乱れ、顔色など  
  • 行動の変化
     夜間のナースコール回数、不穏、興奮、落ち着きの有無  
  • 気になること
     「昨日より少し歩き方がふらついていた」など主観でもOK

完璧でなくていい。  

足りなければ、あとからチームが補ってくれる。

大切なのは、 
「これが伝われば、次の人が安心して動けるかも」 
という気持ちで橋をかけること。

夜の視点と、昼の視点。  

その間にかかるのが、あなたの申し送りです。

「このままでいいのかな」──
そんな気持ちがよぎったら、話してみるだけでも違います。

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伝え忘れを防ぐ|申し送りの基本チェックリスト

「伝え漏れがないか不安…」  

そんなときは、この5つの視点を見返すだけで安心感が違ってきます。  

全部を完璧に伝えようとしなくて大丈夫。  

「あ、これ気になったな」という感覚が、申し送りのいちばん大切な起点です。

  • 全体を確認したら、申し送り表や電子カルテに記録
  • 口頭でも簡潔に、要点を絞って伝える

※ 完璧じゃなくて大丈夫。

大切なのは、「あれ、ちょっと気になるな」と思ったときに、 
その気づきを言葉にして次へつなぐこと。

あなたのそのひとことが、 
チーム全体の安心と、ご利用者の安全につながっていきます。

1. ご利用者の体調変化

夜間は、ご利用者の体調に小さな変化が表れやすい時間帯です。  

静まり返ったフロアの中で気づいた「なんか変かも?」という感覚。  

それは、日勤チームにとってとても貴重な情報となります。

ここでは、夜勤中に意識したい体調観察のポイントをまとめました。

ご利用者の体調変化
  • 体温・血圧・呼吸数の記録  
  • 食事や水分の摂取量、排泄の状況  
  • なんとなく「いつもと違う」と感じた表情や反応も、ぜひ言葉に

バイタルサインの変化に注目

  • 体温
     平熱とのわずかな差(微熱や手足の冷え)に気づけたら◎  
  • 血圧・脈拍
     基準値からのずれや、大きな変動がないかをチェック  
  • 呼吸数・SpO₂
     呼吸が浅い、苦しそう、SpO₂の数値が低下していないか

《用語解説》  SpO₂(エスピーオーツー):血中の酸素飽和度を示す値。 
パルスオキシメータで測定され、正常値は95%以上
90%を切ると、医療的対応が必要になる場合があります。

観察で拾える“小さなサイン”

  • 皮膚の色・発汗の有無
     顔色が青白くないか、異常な発汗はないか  
  • 表情や声のトーン
     不安そう、痛がっている、息苦しさが見えるかどうか  
  • 胃腸の症状
     嘔気・嘔吐の訴え、腹部の張りや違和感がないか

→ 感覚的な違和感でもOKです。「少し変だな」と思ったら、伝えてみてください。

夜間だからこそ見える変化

  • 体動量の変化
     落ち着きがない、離床しようとする、不穏な動きが増えていないか  
  • 睡眠中の呼吸異常
     いびきの大きさや、呼吸が止まったように見えた瞬間がないか

→ 夜勤者が見守っているからこそ気づける、“眠っているときの異変”に目を向けて。

夜勤の観察力は、日勤チームの“判断材料”になります。  

「そこまで深刻じゃないかも」と思うことでも、伝えて損はありません。  

ほんのひと言の申し送りが、  

大きな安心や、早めの医療的対応につながることもあるのです。

あなたの目が、夜のケアを支えています。

2. 排泄・食事・睡眠の記録

夜間の「排泄・食事・睡眠」は、翌日のケアの羅針盤です。

排泄・食事・睡眠の記録
  • 夜間の排泄回数、便の性状や失禁の有無  
  • 夜食や水分補給の量、嚥下の様子  
  • 就寝時間、起床時間、中途覚醒の回数  

→ 日勤のスケジュール調整や体調管理に役立つ情報です

ご利用者の生活リズムを支えるうえで、  

夜間の排泄や食事、睡眠状況はとても重要な情報です。  

 排泄状況のチェックポイント

  • 尿量・回数
     ポータブルトイレ使用回数、トイレ誘導が必要だったか、失禁の有無  
  • 便の性状
     軟便・下痢・便秘など、いつもと違う変化はあったか  
  • 処理状況
     オムツ交換の回数、皮膚トラブル(発赤やびらん)が出ていないか

→ 排泄パターンは体調や薬の影響を反映するため、丁寧な記録と報告が大切です。

夜間の食事・水分摂取量

  • 夜食や水分の摂取量
     摂った時間と量、水分をどのくらい飲めたか  
  • 嚥下状態
     むせ込みや飲み込みづらさが見られなかったか  
  • 食欲や嗜好の変化
     普段好む食べ物を拒否した、全体的に食欲が落ちていた…など

→ 日勤帯の食事支援につながるヒントになります。

睡眠パターンの把握

  • 就寝と起床の時間
     何時ごろ眠り、何時に起きたか  
  • 中途覚醒の回数
     覚醒したタイミングと原因(例:トイレ、不眠、不安など)  
  • 眠りの深さと環境
     落ち着いて眠れていたか、照明や室温が影響していないか

→ 睡眠の質は、日中の活動量や情緒にも直結します。

申し送りでは「なにを」「どのくらい」「いつ」行動があったかを簡潔に伝えましょう。  

ほんの数分で伝えられる情報が、次のケアにつながります。  

あなたの観察が、ご利用者の生活を支える一歩になります。

3. 転倒・事故・ヒヤリの共有

夜勤中に発生する転倒や事故、  

“ヒヤリとした瞬間”は、必ず次のシフトへ引き継ぐべき重要な情報です。  

  • 発生した日時・場所・状況の簡潔な説明  
  • そのときの対応と、現在の様子  
  • 「同じことが起きないために」気づいたことや提案もぜひ

それは、誰かを責めるための報告ではなく、  

同じことを繰り返さないための、チームケアの力です。

事象の詳細を正確に
  • 発生日時・場所
     ○月○日 ○時頃、食堂前通路で転倒  
  • 状況説明
     自立歩行中にスリッパが引っかかる/介助中のバランス崩し  
  • けがの有無
     左手に打撲あり/痛みを訴えるも出血なし

→ 発生状況の明確な把握は、環境改善や対応の見直しにつながります。

対応と経過観察の記録
  • 初期対応
     バイタルチェック後、アイシング実施/看護師へ報告  
  • その後の様子
     夜間も安静を保てている/疼痛訴えは減少傾向

→ どんな対応をして、今どんな状態かを簡潔に共有するのがポイントです。

“ヒヤリ”を見逃さず、次につなぐ
  • 直前の行動
     ベッド柵を乗り越えようとしていた/立ち上がり動作でふらついた  
  • 環境要因
     床に水滴あり/照明が暗かった/カーペットのめくれあり  
  • 再発防止策
     転倒マットの設置、トイレ誘導の時間変更、スリッパ変更の提案

→ たとえ転倒しなかったとしても、「危なかった」と感じたことは大切なサインです。

申し送りは“自分を守る報告”でもあります。  

小さなヒヤリこそ、チームで共有して備えるべき気づきです。  

あなたの観察が、明日の安全を守ります。

4. 薬・処置・医療的対応の報告

夜間に行われた薬剤投与や処置内容の申し送りは、  

日勤のケア判断に直結する重要な情報です。  

  • 薬の名前・量・飲んだ時間  
  • 創傷処置や吸引、カテーテルなどの処置状況  
  • 医師の指示変更、検査予定など“医療系の動き”を要点で共有

特に、急な医師指示の変更体調反応の有無は、 
適切なケアの連携と、利用者さんの安全を守る要となります。

投薬内容は“正確に、丁寧に”
  • 薬剤名・用量・ルート
     ラシックス20mg 経口/酸化マグネシウム 1包 内服  
  • 投与時間
     21時に服薬完了/指示通りのタイミングで実施  
  • 副作用の有無
     服薬後、眠気やふらつきの訴えなし

→ 薬の影響や気になる反応があれば、ひとこと添えると安心です。

処置・医療ケアの継続に備える
  • 創傷管理
     左膝の創部に滲出液少量あり、ドレッシング交換済み  
  • 医療機器の使用状況
     尿道カテーテル排尿スムーズ、発赤なし  
  • 緊急対応
     SpO₂ 90%→酸素流量1Lへ増量/心電図モニタリング継続中

→ 「今どうだったか」だけでなく、「今後どう観察すべきか」も意識して伝えましょう。

医師指示の変更点をもれなく
  • 新たな処方
     眠前にレンドルミン1錠追加(不眠対応)  
  • 中止指示
     下剤中止(下痢続くため)→排便コントロール観察必要  
  • 検査予定
     午前採血あり/レントゲン指示済(8時以降)

→ 曖昧な記憶に頼らず、記録と照らし合わせながら落ち着いて確認を。

“伝えることで守られる”のが、医療的な申し送りです。

「きっと分かるだろう」ではなく、「ここが大事」と思ったことは必ず言葉に。  

その一言が、ご利用者さんの命をつなぐことがあります。

5. ご家族や来訪者の情報

夜間帯にもご家族や来訪者とのやりとりがある場合、 
その一言や表情が、ご利用者さんの心や体調に影響することがあります。  

  • 来訪の有無や、時間帯・対応したスタッフ名  
  • ご家族の発言・要望、伝言メモがあれば共有  
  • 不安や緊張が見られた場合は「心理的サポートが必要かも」と一言添える

申し送りでは「会ったこと」「聞いたこと」だけでなく、
そこから感じた変化や配慮すべきことも一緒に伝えられると理想的です。

来訪者の対応状況
  • 訪問時間
     20時半〜21時/面会室にて  
  • 発言内容
     「最近、寝つきが悪いようで心配」「薬は減らせないか」  
  • ご家族の様子
     少し疲れた表情/話しながら涙をこらえていた印象

→ ご家族の感情も、間接的なケアニーズのサインです。

伝達・連絡事項の有無
  • 伝言メモ
     今週末に外出希望/次回面談を家族会議に変更  
  • 依頼内容
     レクの参加状況を次回までに教えてほしい  
  • 服薬相談
     朝の薬を昼にずらせないか聞かれた

→ 医師や看護師に共有すべき点があれば、明確に伝えましょう。

ご家族の“ケアニーズ”にも目を向けて
  • 介護負担感
     遠方からの通所で通うのが大変と話していた  
  • 心理面
     面会後、ご本人がいつもより穏やか/逆に落ち込んでいた

→ ご家族との関係性も含めて、トータルで見守る視点が大切です。

申し送りは、ご利用者だけでなく“ご家族の声”もつなぐ橋渡しです。

「話した内容」と「そこから感じた気配」──  

どちらも、次のケアに活かされる大切な手がかりとなります。

 “なんとなく”を言葉にする力が、現場を守る

夜勤明けの申し送りでは、  

「事実を正確に伝える」ことがもちろん基本。  

でも実は、“ちょっと気になった”という直感的な違和感こそが、  

重大な変化を知らせる最初のサインになることがあります。

その一言が、現場の安全につながる
  • 「〇〇さん、いつもより声がかすれてた気がする」
  • 「目線がずっと天井に向いていて、ちょっと様子が変だった」
  • 「何度もベッド柵をつかんでいたのが気になった」

→ こうした「気づき」は、医療的対応の判断材料にも。

主観と事実を切り分ける工夫

伝えるときは、**“自分の感じたこと”と“実際に見たこと”**を  

明確に分けるよう意識してみましょう。

例)

🗣「〇〇さん、表情が曇っていた印象がありました」←主観  

📝「朝4時半ごろ、寝返り時に眉間にしわを寄せていました」←事実

→ 受け手が情報を整理しやすく、適切な対応につながります。

申し送りは“安心のリレー”。  

自分の観察と感じたこと、その両方を大切にして、 
次のシフトに「気づき」という灯りを渡しましょう。

気づいた人が補い合える職場づくりを目指して

夜勤の申し送りは、 
「誰が言うか」よりも「何を共有するか」が大切。  

見落としがちな小さなサインも、 
気づいた人が声に出せる雰囲気があってこそ、 
チーム全体の安心感へとつながります。

「伝えること」は責任ではなく“支え合い”
  • 自分の視点だけでは気づけないこともある
  • だからこそ、複数の目線で見守ることが大切
  • 「あれ?」「もしかして…」と思ったら、遠慮なく共有を
“言える”文化が、安心を生む
  • 発言を責めない・笑わない
  • どんな小さな情報でも「ありがとう」と返す
  • 申し送りの後に「他に気になることある?」と聞く習慣

→ こうしたやりとりが、自然と**チームの空気**を変えていきます。

チームケアは、ひとりではつくれない。

だからこそ、気づきに気づける関係性を育てていくことが、 
ご利用者にとっても、私たち自身にとっても大切な支えになります。

まとめ|あなたの声が、安心をつなぐ架け橋になる

夜勤明けの申し送りは、  

ただの業務連絡ではありません。  

それは、ご利用者の「命と暮らし」を  

チームで守りつなぐ、大切なバトンです。

  • 基本情報の確実な共有とチェックリストの活用  
  • 主観的な気づきを添えるプラスαの工夫  
  • 事実(Fact)と意見(Opinion)の明確な切り分け  
  • 心理的安全性を育む職場づくりと、連携を支える仕組み

申し送りは、  

「伝える」ことで誰かを守る力になる。  

「受け取る」ことでチームの絆が深まる。  

その一言が、  

安心と信頼をつなぐ、静かな架け橋になります。

完璧でなくていい。  

ただ、あなたの“気づき”を大切にしてください。  

それは、介護という仕事が持つ「やさしさ」の証です。

ここまで読んでくれたあなたへ。
少しでも「自分のこと」と感じたなら、大丈夫。ちゃんと選べます。

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このブログを書いている「まきこむ」と申します。

介護支援専門員(ケアマネジャー)として働きながら、趣味で創作活動も楽しんでいます。

介護にまつわる悩みや、日々の気づき、そして「やさしい未来を一緒に歩むためのヒント」を、このブログにそっと詰め込んでいます。

読んでくださった方の心が、少しでも軽くなるように。そんな思いを込めて、言葉を紡いでいます。

どうぞ、ゆっくりと遊びにきてくださいね。

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