介護の“個人目標”ってなんのため?|がんばりすぎない目標の立て方と向き合い方

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介護の“個人目標”ってなんのため?|がんばりすぎない目標の立て方と向き合い方

介護の“個人目標”ってなんのため?  

「個人目標」と聞くだけで、 
なんだか苦手意識を感じてしまう──そんな方も少なくありません。

日々の業務に追われているなかで、 
ゆっくり自分を振り返る時間なんて、そうそう持てないもの。  

目標用紙に向かっても、  

「何を書けばいいんだろう」 
「自分だけ思いつかない…」  

そんな焦りや自責の気持ちが湧いてくることもありますよね。

でも実は、個人目標は 
評価されるための“正解探し”ではありません。

それは、あなたが日々のケアのなかで感じていること、 
「もっとこうできたらいいな」と思う気持ちを、 
そっと言葉にしてみるための道しるべなのです。

この記事では、自分を責めない、がんばりすぎない目標との向き合い方をお伝えします。

  • 書くことに迷ったときのヒント  
  • 振り返りの視点の持ち方  
  • 自分らしい目標の立て方のコツ

評価のためではなく、“自分らしいケア”を深めていくための時間に。  

どうぞ、あなたのペースで読み進めてみてください。

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自分の声に、そっと耳を澄ませる時間になるかもしれません。

目次

「個人目標」が苦手…それっておかしくない

「そろそろ個人目標、書いておいてね」  

そう言われても、手が止まってしまう──  

そんな経験、ありませんか?

介護の現場では、忙しさのなかで 
目標に向き合う時間をつくるのが、そもそも難しいもの。  

「何を書けばいいんだろう…」
「自分だけ思いつかないかも」  

そんなふうに悩んでしまう方は、決して少なくありません。

書けないからといって、あなたの姿勢や能力が問われるわけではないのです。  

むしろ、それだけ丁寧にケアに向き合っている証かもしれません。

多くの介護職員が感じている、リアルな戸惑い
  • 正解がわからない  
  • 現場の実感と、目標がうまく結びつかない  
  • 評価のためだけの“書類づくり”に思えてしまう

こうした感覚は、「きちんとやりたい」という気持ちの裏返し。  

でも、完璧を求めるあまり、本来の意味を見失ってしまうこともあります。

目標は、誰かに認められるための“答え”ではなく、 
「自分らしいケアって、なんだろう」を考えるための、ちいさな問いかけ。

まずは、目標を書くことが「苦手」と感じている自分を、 
どうか責めないであげてください。

そこから始まる“気づき”の時間が、 
きっと、あなたのケアにやさしく寄り添ってくれます。

書けない・見えないのは、自分が悪いわけじゃない

「どうしても目標が書けない…」  

そんなとき、つい自分を責めてしまうことはありませんか?

でも、忘れないでください。  

個人目標に“正解”なんて、そもそも存在しないのです。

書けない・見えないと感じる背景には、 
あなた自身の力不足ではなく、組織や環境のハードルがあることも少なくありません。

書き方のマニュアルが曖昧
  • 「ガイドライン通りに」と言われても、実感をもてない  
  • 書くこと自体が目的になってしまい、現実のケアと結びつかない
日々の忙しさで、振り返る余裕がない
  • 緊急対応や日々のご利用者対応で手一杯  
  • 書類に向き合う時間を後回しにしてしまうのは、ごく自然なこと
評価を意識しすぎて、言葉に縛られる
  • 「良い目標に見せなきゃ」というプレッシャー  
  •  本当は、小さな行動の積み重ねこそがケアの質を育てているのに、立派なキーワードに頼りたくなってしまう

目標が思いつかないのは、当たり前の反応です。  

まずは、「どうして書けないのか?」を丁寧に棚卸ししてみましょう。

書くこと自体をゴールにしない。

そのかわりに、「自分のケアに、少しだけ目を向けてみる」 
そんなやわらかな視点から、スタートしてもいいのです。

「書かされるもの」と感じる背景にあるもの

目標用紙を前にしたとき、 
どこか「これって自分のためじゃないよな…」と感じたことはありませんか?

実はその違和感、あなた一人のせいではありません。  

組織文化や評価制度のあり方が、 
“書かされている”感覚を生んでいることも多いのです。

上意下達の目標設定プロセス
  • 「組織の方針に合わせて書いてね」と言われると、自分の言葉で語る余白がなくなる  
  • 組織の課題をなぞるだけでは、“自分ごと”になりにくい
定型フォーマットの弊害
  • 項目を埋めることが目的化しがち  
  • 気づきや振り返りが、あと回しになってしまう
評価面談へのプレッシャー
  • 「ちゃんと書かないと評価が下がるかも…」  
  • 不安が先に立ってしまい、形だけの目標になってしまう

でも大丈夫。  

組織の流れに巻き込まれているだけと気づけたら、 
そこから少し距離をとって、 
“自分のペース”で向き合う余白をつくることができます。

目標は、本来「あなたのケアを振り返るための時間」。  

評価のためだけじゃない、あなたらしい言葉で綴る目標に、
少しずつ目を向けていきましょう。

自分の軸を大切にしていい理由

目標を書くとき、つい「求められるもの」に合わせようとしていませんか?  

けれど本当に大切なのは、あなた自身のケア観=“自分の軸”です。

どんなケアを大切にしたいのか。  

どんな関わり方が、あなたらしいと感じられるのか。  

そうした軸があると、目標は“書かされるもの”から、“育てるもの”に変わります。

なぜ、“軸”を持つと前向きになれるの?
  • プロとしての一貫性を保てる
     ご利用者にとっては、 
     「〇〇さんなら、きっとこうしてくれる」 
     という安心感につながります。
  • 達成感と成長実感が生まれる
     自分が大切にしているケアが実践できたとき、 
     その小さな手応えが、やがてモチベーションに育っていきます。
  • 燃え尽き予防とメンタルケアにも
     「自分で選んだこと」だからこそ、継続しやすく、無理が少ない。 
     振り返ったときの満足感も、大きく変わってきます。
自分の“軸”を見つけるヒント
  • 日々のケアの中で、「楽しかった瞬間」や「手応えを感じた場面」はどこ?  
  • 同僚やご利用者から褒められたとき、どんな言葉をかけられた?  
  • 介護の仕事を選んだきっかけや、はじめた頃の気持ちは?

あなたが大切にしていることに、意味がある。

その気づきを、目標にそっと言葉としてのせてみてください。  

それだけで、目標はきっと“自分にしか書けないもの”に変わっていきます。

がんばりすぎない目標の立て方

目標を立てるとき、「ちゃんとしなきゃ」「立派に見せなきゃ」と思うほど、 
かえって言葉が出てこなくなることがあります。

でも、目標はがんばるためのものではなく、 
“自分を少しだけ見つめる時間”として考えてみてください。

ここでは、無理なく続けられる目標設定のコツをご紹介します。

目標のレベルを3段階にわけてみよう
  • すでにできている“小さなアクション”
     → 例:「毎朝の声かけを、笑顔で意識している」
  • ちょっとだけがんばる“チャレンジ”
     → 例:「1日1回、ご利用者の“できたこと”を記録に残す」
  • 長期的な“ビジョン”をふんわり描く
     → 例:「半年後、○○さんと一緒に体操ができる関係を築きたい」
ゴールより、“プロセス”を大事に
  • 「何をどれくらい達成したか」よりも、 
    どんな工夫をしてきたか、どんな気づきがあったか**に目を向けて。
    例:「声かけのタイミングを意識した」 
     「1週間で3回、ゆっくり傾聴する時間を持てた」
振り返りは“週1回・5分”でOK
  • 忙しい日々の中でも、短い時間でOK
     スマホのメモや手帳に、「今日ちょっと良かったこと」を書き留めるだけでも◎
  • 見返すたびに、「ちゃんとやってるな」と思える自信に変わります。

がんばりすぎなくていい。  

「続けられるかどうか」こそ、目標設定の大切な視点です。

まずは、“自分が自分を認めてあげられる”ような、やさしい目標を立ててみませんか?

自分の感情やケアの“好き”を起点にする

目標って、「できていないこと」から考えがちですよね。  

でも、ちょっと視点を変えてみませんか?

“自分が好きなケア”を出発点にしてみると、 
自然と前向きに取り組める目標が見えてくることがあります。

人は、“好き”なことにエネルギーを注ぎやすいもの。  

ご利用者と一緒に歌ったときの笑顔、 
レクリエーションで笑い合ったひととき── 
そんな心が弾んだ瞬間を、目標のヒントにしてみましょう。

自分が「楽しい」と感じるケアシーンをリストアップ
  • どんなときに、心がふっと軽くなった?  
  • ご利用者と過ごした時間で、「またやりたい」と思ったことは?  
  • 周囲から「生き生きしてるね」と言われた場面は?
「好き」を小さな行動に分解してみる
  • 「歌が好き」→「月に1回、歌の時間を提案してみる」  
  • 「会話が好き」→「1日1回、ご利用者の話に5分だけ集中して耳を傾ける」
無理なく実施できる頻度と範囲を決めておく
  • 「週1回」や「昼食前の5分間」など、 
     具体的な回数や時間を決めると、継続しやすくなる。

“好き”は、あなたのケアの原動力。  

その気持ちに正直になってみることが、 
あなたらしい目標づくりの第一歩になるかもしれません。

“できていること”に目を向けてみる

目標というと、「できていないこと」や「改善すべきこと」に目が向きがちですが──

ときには、“すでにできていること”を起点にしてみるのも、とても大切な視点です。

私たちは日々のケアのなかで、 
すでにたくさんの工夫や、やさしい行動を重ねています。  

それに気づけるだけで、 
目標は“できない自分”を変えるものではなく、  

“続けたい自分”を育てるものへと変わっていきます。

まずは、これまでの行動を振り返ってみましょう
  • 日報や申し送りメモを読み返す
     →「こういう関わりができていたんだな」と、客観的に気づけることがあります。
  • 同僚やリーダーからのフィードバックをピックアップ
     → 褒められた言葉や、「助かったよ」と言われた場面には、あなたらしさがにじんでいます。
その行動を「少しだけ広げる・深める」ことを目標に
  • 「落ち着いて対応できた」→「他の職員にも共有して安心感を広げる」  
  • 「○○さんと話す時間をとった」→「週1回、他のご利用者にも意識して声かけをする」

自己否定ではなく、自己発見からのスタートを。

あなたの中にある、すでに実践できている“種”を、 
やさしく育てていく目標にしていきましょう。

「このままでいいのかな」──
そんな気持ちがよぎったら、話してみるだけでも違います。

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数字より“心の動き”で記録してもいい

「目標には数字が必要」  

そう思い込んでいませんか?

たしかに、回数や時間などの“見える化”は大切な要素。  

けれど、介護の現場でいちばん大事にしているのは、 
心と心のふれあいではないでしょうか。

だからこそ── 
数字より、“心が動いた瞬間”を起点にした目標だって、 
立派な実践につながるのです。

たとえば、こんなふうに
  • 利用者との雑談「〇回」ではなく、「心があたたかくなった場面」を1日ひとつ思い出す
  • 「笑顔を引き出す声かけを、毎回ひとつ意識してみる」
     →小さな工夫が、ご利用者の表情をやわらかく変えていくはずです。
  • 「同僚への感謝を、週に1回、ひとこと伝える」 
     →職場の空気がやさしくなり、自分自身の気持ちもほぐれます。

数で測れない気づきも、ちゃんと価値がある。  

あなたの中に生まれた“あ、よかったな”という感情こそが、  
ケアの質を深めてくれる道しるべになります。

目標は、心の動きをそっと記録することからでもいいんです。  

まずはそこから、やさしく始めてみましょう。

目標がブレても大丈夫

「こんな目標を立てたけど、続けられていない気がする…」 
「状況が変わってしまって、もう合っていないかも…」

そんなふうに、立てた目標が揺らいでしまうこと、ありませんか?

でもそれは、決して悪いことではありません。  

むしろ自然で、当たり前のことなんです。

ブレるのは、“変化に向き合っている証”
  • ご利用者の状態が日々変わる  
  • チームの方針が変化する  
  • 自分自身の感じ方や、仕事の向き合い方が少しずつ変わっていく

どれも、真剣に現場と向き合っているからこそ起こる変化です。

目標は、固定されたゴールではありません。  

そのときどきの自分に合わせて、見直したり、整えたりできる“コンパス”のようなもの。

「方向がズレた」と思ったら、 
振り返って、もう一度手に取ってみればいい。  

そうして微調整を重ねていくうちに、 
きっと“自分らしいケア”の軌道が見えてきます。

目標は変えてもいい。揺らいでもいい。

それは、あなたが成長し続けているという、何よりの証なのです。

成長は直線じゃない。揺れながら前に進む

まっすぐに、スムーズに成長できたら理想かもしれません。  

でも、現実はきっとそんなにシンプルじゃありませんよね。

一歩進んだと思ったら、迷ったり、立ち止まったり。  

ときには後ろに下がってしまったように感じることもあるかもしれません。

それでも大丈夫。  

成長は、いつだって“ゆらぎ”と一緒にあるものです。

小さな成功も、失敗も、すべてが“学びの種”
  • ご利用者とのやり取りで「うまくいった」と思えた日も  
  • 「もっとこうすればよかった…」と振り返った日も

その一つひとつが、 
あなたのケアの引き出しを、少しずつ豊かにしてくれています。

立ち止まることは、“視野を広げるチャンス”
  • 迷うからこそ、まわりが見える  
  • 止まった時間があるからこそ、また動き出せる準備ができる
結果より、“プロセス”に目を向けてみる
  • どんなふうに工夫したか  
  • どんな思いで行動したか  

そこに、あなたの成長がちゃんと積み重なっています

焦らなくていい。比べなくていい。  

ゆっくり揺れながらでも、あなたはちゃんと前に進んでいます。

その歩みこそが、かけがえのない成長の証なのです。

つまずきも、学びとして書き残せば宝になる

うまくいかなかった日。  

思うように動けなかった時間。  

「ダメだったな…」と感じる場面。

そんな“つまずき”を、 
できることならなかったことにしたくなる── 
その気持ち、きっと誰にでもあるものです。

でも実は、そのつまずきこそが、  

あなただけの“実践ノート”になるヒントかもしれません。

まずは、「つまずいた場面」を正直に書き出してみる
  • ご利用者とのやりとりで戸惑ったこと  
  • 声かけのタイミングが難しかったこと  
  • 気持ちがついていかなかった日 など
そこに、“自分なりの振り返りメモ”を添えてみる
  • 「なぜそう感じたのか?」  
  • 「本当はどうしたかったのか?」  
  • 「次はどんなふうに関わってみたいか?」

正解を出さなくても大丈夫。  

自分の言葉で振り返ること自体が、すでに前進です。

改善策は、“翌週・翌月の目標”にやさしくつなげる
  • 「次は○○さんに、もう少しゆっくり話を聞いてみよう」  
  • 「忙しくても、1日1回“できたこと”を見つけてみよう」  
  • 「同じ場面になったら、あえて深呼吸してから関わってみよう」

つまずいた経験は、 
書き残しておくだけで“未来の自分”を支える宝物になります。

「失敗」ではなく、「発見」。  

そうとらえられたとき、目標はきっと、もっとやさしくなるはずです。

最後に|あなたの歩幅で進んでいい  

「書けた」ことより、「見つめた」ことが意味になる

目標に、正解はありません。  

立派な言葉や完璧な構成でなくても、 
自分はどんなケアを大切にしたいのか
その気持ちにそっと目を向けた時間こそが、大切な一歩です。

目標を書くことに迷ったとしても、 
悩みながらも“自分らしさ”を考えようとしたその時間は、 
すでにあなたの成長の一部になっています。

  • 自分の価値観を土台に  
  • 小さな行動や、心の動きをていねいにすくい上げて  
  • ときどき立ち止まりながら、振り返りと調整をくり返す

それは、まっすぐじゃなくてもいい。  

ぐらぐら揺れても、うまく言葉にできなくてもいい。  

あなたの歩幅で進んでいいのです。

たとえ今、目標がうまく書けていなくても── 
あなたが毎日届けているそのケアの中に、  

すでに“あなたらしい目標”は息づいているのかもしれません。

どうか、自分を信じて。  

ゆっくり、やさしく、一歩ずつ進んでいきましょう。

ここまで読んでくれたあなたへ。
少しでも「自分のこと」と感じたなら、大丈夫。ちゃんと選べます。

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自分を責めずに、そっと未来をのぞいてみませんか?

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このブログを書いている「まきこむ」と申します。

介護支援専門員(ケアマネジャー)として働きながら、趣味で創作活動も楽しんでいます。

介護にまつわる悩みや、日々の気づき、そして「やさしい未来を一緒に歩むためのヒント」を、このブログにそっと詰め込んでいます。

読んでくださった方の心が、少しでも軽くなるように。そんな思いを込めて、言葉を紡いでいます。

どうぞ、ゆっくりと遊びにきてくださいね。

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