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はじめに|「怖い」と感じるあなたへ
「ターミナルケアが怖い」
そんな気持ちを抱えながら、この記事にたどり着いてくださったあなたへ。胸の奥がぎゅっと締めつけられるような不安に襲われるのは、けっして“弱さ”ではありません。命の終わりに向き合おうとする、あなたのやさしさが生んだ、自然な感情です。

「自分にできるだろうか」
「何か間違えたらどうしよう」
ご高齢のご利用者の“最期のとき”に立ち会う夜。手が震えたり、言葉が出てこなかったり、夜勤明けに涙がこぼれたり——。それは、決して特別なことでも、あなただけが感じている弱音でもありません。私自身、ケアマネとして看取りの場面に何度も同席してきましたが、何度経験しても“慣れる”という感覚にはなりません。むしろ、向き合うほどに、命の重みを静かに感じるようになっていきます。
- 何を話せばいいかわからない
- 沈黙がつらい
- 判断に自信が持てない
こうした不安を抱くのは、あなただけではありません。多くの介護職員さんが、同じような気持ちを経験しています。完璧である必要はないのです。言葉が見つからなくても、ただそばにいることが、どれほど大きな支えになるか——この記事では、ケアマネとしての実体験と、現場の介護職員さんから聞いてきた声をもとに、初めてのターミナルケアに向き合うあなたに、心が少し軽くなるヒントをお届けします。
- 「怖い」と感じる気持ちの正体と、向き合い方
- 初めての看取りで役立つ、心と現場の準備
- ターミナルケアを経験した先輩たちのリアルな声
- 「もう抱えきれない」と感じたときの、職場選びという選択肢
あなたのペースで、読み進めてみてください。
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ターミナルケアとは|《用語解説》と命を支えるケアの基本
「ターミナルケア」と聞くと、なんだか特別な技術や医療知識が必要な気がして、「自分にはまだ早い」と感じる方も多いかもしれません。けれど、ターミナルケアは、決して高度な医療だけで支えるものではありません。本来は、目の前のご利用者にそっと寄り添い、“その人らしさ”を大切にしながら、残された時間を一緒に過ごしていくケアのことです。
余命が限られたご利用者が、自分らしい最期を迎えられるよう支える総合的なケア。
身体的な苦痛の緩和だけでなく、心の支え・ご家族へのサポートまで含まれます。
医療職・介護職・相談員・ご家族など、多職種がチームで関わるのが特徴です。
命の最終段階を支えるケアとは
ターミナルケアは、余命が限られたご利用者が、その人らしく最期を迎えるために行う総合的なケアのこと。身体だけでなく、心や社会的なつながりまで含めて支えるのが特徴です。大切にされるのは、「QOL(生活の質)」の視点。ただ長く生きるのではなく、心地よさや尊厳を大切にした時間を一緒に過ごしていきます。
- 身体的ケア:痛みや息苦しさを和らげる
- 精神的ケア:不安や孤独に寄り添う
- 社会的ケア:ご家族や多職種と気持ちをつなぐ
たとえ言葉がなくても、そっと手を握るだけで、そのやさしさは静かに伝わっていきます。あなたの存在そのものが、ご利用者とご家族にとってのぬくもりになるのです。
医療と介護のちがいと重なり
ターミナルケアの現場では、医療と介護がしっかり手を取り合うことが求められます。医療は症状のコントロールや薬の管理、臨床的判断を担い、介護は生活支援や気持ちのケア、信頼関係の橋渡しを担う——役割は異なりますが、実際の現場ではその境目があいまいになることも多いのです。
- 口腔ケアの最中に痛みを訴えられたとき
- 呼吸が苦しそうな様子に気づいたとき
- ご家族が不安げに質問してきたとき
その瞬間に「医療か介護か」を判断するよりも、「ご本人とご家族が、いま何を大切にしたいか」に意識を向けることが、何より大切です。看護師さん・医師・ケアマネ・相談員と、こまめに情報を共有できる職場かどうか——これは、初めての看取りに向き合うあなたの心の負担を、大きく左右する要素でもあります。
介護職だからこそできること
医療行為はできなくても、毎日そばにいる介護職だからこそ届けられるケアがあります。私がケアマネとして関わってきた現場でも、ご家族から「最期に手を握ってくれた介護士さんのことは一生忘れません」と涙ながらに言われた場面を、何度も見てきました。
- 苦痛をやわらげる姿勢の調整、やさしい声かけ
- 呼吸や表情の小さな変化に気づくこと
- 「今、どう感じているか」を丁寧に聴くこと
- 言葉にならない沈黙を、静かに受け止める姿勢
- ご家族への声かけと、心のケア
“何かをしてあげる”こと以上に、“そばにいること”そのものに意味がある——これはターミナルケアの世界で繰り返し語られる言葉ですが、本当にそうだと、私は現場で痛感しています。
「怖さ」の正体を見つめる
ターミナルケアに向き合うとき、「怖い」と感じるのは、とても自然なことです。それは、未知の世界に一歩を踏み出すときの緊張感。そして、命と向き合う責任の重さからくるもの。ここでは、その「怖さ」の奥にある気持ちを、3つの視点から、そっとひもといてみましょう。「怖い」と感じるあなたは、きっとやさしくて、誠実な人。その想いが、すでにケアの一部になっています。
経験のなさによる不安
初めてのターミナルケア。緊急の場面や、ご利用者のつらさに直面すると「どうすればいいの?」と戸惑ってしまうものです。突然の呼吸変化や痛みへの対応がわからない、小さな変化を見逃してしまうかもしれない、医療チームへの報告タイミングに迷う——こうした不安が次々と襲ってきます。これは誰にでもある、自然な反応です。
- ケーススタディで、看取りの一連の流れをシミュレーションしておく
- 最初はベテラン職員さんとペアでケアに入り、安心感を育てる
- 日々の小さな疑問も、その場でチームに共有・確認する習慣を持つ
不安があるからこそ、深く学べます。経験の浅さは、成長の入り口。どうかご自分を責めずに、一歩ずつ進んでくださいね。
死を前にした沈黙と空気
最期のときが近づくと、ふと、言葉を失う瞬間があります。



「何か話した方がいいのかな」
「この沈黙、どう受け止めたら…」
そんな迷いが、胸に広がっていきます。言葉を選ぶことへのプレッシャー、沈黙そのものを抱えるしんどさ、空気を和ませたいのに方法がわからない焦り——。でも、沈黙は決して“悪いこと”ではありません。静けさには、想いをめぐらせる力があります。
「沈黙が怖い」と感じるとき、その奥には、「自分が何かしてあげなきゃ」という責任感が隠れていることが多いです。けれど、ターミナルケアの現場では、無理に明るい声をかけたり、励ましの言葉を重ねたりすることが、かえってご本人の負担になる場面もあります。深呼吸をひとつ。場の空気と一緒に、自分の呼吸も静かに整えてみる。それだけで、沈黙はあなたとご本人にとって“共有する時間”に変わります。表情やしぐさで“察する”やさしさは、言葉以上に届くことがある——そう信じてもらえたら、と思います。
自分のケアがこれで良いのかという迷い



「この声かけで、安心してもらえただろうか」
「もっとできることが、あったかもしれない」
振り返るたびに、無力さや後悔がじわりと広がっていく——その感覚は、命に向き合うあなたのまっすぐさの証です。でも、ターミナルケアにおける“最善”は、特別な技術や言葉ではありません。目線を合わせて静かにうなずくこと、なでるようなやわらかい声、丁寧な清潔ケア——日々の中の小さな積み重ねが、やさしさとして、確かに届いています。完璧じゃなくて、大丈夫。誠実であろうとしたあなたの一歩ずつが、ケアの力になっていきます。
怖さと向き合う“こころの準備”3ステップ
ターミナルケアは、マニュアルどおりにはいきません。理論や知識を学んでいても、実際の場面では思うように動けないこともあります。それは、あなたの力不足ではなく、“命に向き合う時間”が、それほど繊細だからです。ここでは、現場で役立つ“こころの準備”を、3つのステップに分けてご紹介します。
ステップ1.小さな一歩を大切にする
はじめからうまくやろうとしなくて大丈夫。完璧を目指すよりも、「ただそばにいる」ことが、なによりの支えになることがあります。手をそっと添える、やわらかく目を合わせる、言葉は少なく気持ちで寄り添う——その“ささやかな関わり”が、ご利用者にとって大きな安心感になることが、現場では本当によくあります。
ステップ2.感情を共有する場を持つ
「怖かった」「戸惑った」——そんな気持ちを、心にしまい込まず、信頼できる同僚や先輩と話してみましょう。初めての看取りで泣いてしまった人、言葉が出なくて悔しかった人——誰かの体験を聞くことで、「自分だけじゃない」と感じられます。私の関わってきた施設でも、デスカンファレンス(看取り後の振り返り)を丁寧に行っているところほど、職員さんの定着率が高い、という肌感覚があります。
ステップ3.無理に言葉を選ばない
「大丈夫ですよ」「頑張ってください」——そうした言葉が、時には重く感じられることもあります。無理に励まさず、手を握る、「一緒にいますよ」とやさしく伝える——それだけで、深く安心してもらえる場面もあります。知識よりも、あなたの“ぬくもり”が届くことを、どうか忘れないでください。
不安をやわらげる5つの実践ヒント
ここからは、初めてのターミナルケアに向き合うあなたに、私がケアマネとしてお伝えしたい5つのヒントを紹介します。どれかひとつでも、できそうなことから取り入れてみてください。
1. 感情を否定せず、書き出してみる
「怖い」「不安だ」と感じる気持ちは、誰かの人生に真剣に寄り添おうとしているからこそ生まれるもの。弱さではなく、やさしさの証です。心に浮かんだ想いを、ノートにそのまま書き出してみる、信頼できる同僚や先輩にそっと話してみる——言葉にすることで、感情は少しずつ輪郭を持ち、自分の中でやさしく整っていきます。
2. 「うまくやる」より「そばにいる」を選ぶ
ターミナルケアでは、「何をしたか」より「どうそこにいたか」が、ご本人とご家族の心に残ります。たとえ言葉が見つからなくても、そっとそばにいることだけで、安心は届けられます。緊張したときは、深呼吸をひとつ。あなたの落ち着きが、その場の空気をやさしく整えてくれます。
3. チームで支える視点を持つ
あなたが気づいた“小さな変化”は、医師や看護師にとっての大事な判断材料になります。ターミナルケアは一人で抱えきれない営みです。気づきを言葉にしてチームで共有することが、結果としてご本人にとっての安心につながります。一人で背負わなくて大丈夫。背負わせない職場かどうかも、これからの働き方を考えるうえで、とても大切な視点です。
4. 先輩の言葉や事例に、耳を傾ける
経験者の一言には、教科書には載っていない“現場の知恵”がつまっています。「こんなとき、私はこうしたよ」というたった一言の体験談が、あなたの不安をほどくヒントになることがあります。研修や事例検討会の場を、ぜひ大切にしてみてください。
5. “できたこと”をそっと記録する
「今日はこんな声かけができた」「呼吸を合わせて、5分そばに座れた」——そうした小さな瞬間をメモしておくと、後で読み返したときに、自信の芽になります。看取りの夜、自分を責めそうになったとき、その記録があなたを支えてくれます。
不安がすべて消えなくても大丈夫。やさしさのかたちに、正解はありません。あなたなりの歩幅で、少しずつ前へ進めば、それで十分です。何年経っても、ターミナルケアに完璧な日はありません。私自身、ケアマネとして経験を重ねた今でも、看取りに関わるたび、心のどこかで「もっとできたかも」と振り返ります。それでいいのだと、私は思っています。
涙が出そうになるのは、心が動いている証
ターミナルケアの最中、ふと涙がこぼれそうになる瞬間があります。胸の奥がじんわり熱くなる感覚——それは、「怖い」と固くなっていた心が、ご本人との深い絆に触れて、そっとほどけた証かもしれません。
介護の現場では、プロとしての落ち着きが求められます。だからこそ、涙をこらえることに慣れてしまうこともあるでしょう。けれど、涙は弱さではありません。誰かの人生に真剣に向き合っている証であり、あなたの中にあるあたたかな思いやりが、形になったものです。



「〇〇さん、一緒にいますからね」
泣いてしまいそうなときは、無理にこらえようとせず、そっと深呼吸をひとつ。そして、こんなふうに小さく声をかけてみてください。その言葉と、静かにそばにいるあなたの存在が、ご本人にとってなによりの支えになります。
もし、ご家族の前で涙が出そうになったら——ハンカチでそっと目元を押さえる、少し席をはずす、深呼吸をする、それだけでじゅうぶんです。涙を見られたら不謹慎、ということは決してありません。むしろ、「うちの母を看てくれた介護士さんが、涙を流してくれた」——その光景が、ご家族にとって深い慰めになることを、私は何度も見てきました。プロとしての落ち着きは大切ですが、人としての心まで殺してしまわないでください。涙が出るのは、心が動いた証。あなたの繊細さこそが、ターミナルケアという仕事に、いちばん必要な力です。
現場の声|先輩介護職員のリアルな気づき
ターミナルケアに向き合うときの「怖さ」や「不安」は、けっして頭の中の知識だけでは語れないもの。現場に立ち、誰かの“最期”に触れたとき。その瞬間にしか得られない気づきや、そっと胸に刻まれる経験があります。ここからは、私が現場で出会った介護職員さんたちの声を、ご本人の同意を得たうえで(個人が特定できないよう加工して)紹介します。あなたと同じように悩み、迷いながら一歩ずつ前に進んできた仲間の言葉に、そっと耳をすませてみてください。
「最期」に立ち会って、初めて知ったこと
「呼吸の間隔が、少しずつ長くなっていって……気がつくと、時間が止まったような静けさに包まれていました。自分の心臓の鼓動だけが、妙にはっきりと聞こえてきて、『この瞬間を、絶対にそばで支えよう』と強く思ったんです。あの気持ちは、今でも忘れられません」
最期のひとときは、とても静かで、でも深く心に残る時間です。その静けさのなかで、自分の存在の意味を知った——そんな経験が、確かなケアの土台になっていきます。立派な技術や言葉がなくても、ただ呼吸を合わせて、その瞬間に居続ける。それは介護職にしかできない、尊い仕事の形です。
怖さの奥にあった、やさしさの形
「初めてのときは、気持ちをどう伝えたらいいのか分からなくて……結局、部屋の隅に立ち尽くすことしかできませんでした。そんな自分に、後から先輩が『一緒にいるだけでいいんだよ』と言ってくれて。その言葉が心の底からあたたかくて、背中をそっと押された気がしました」
“何かしなきゃ”と焦る気持ちの奥には、「ちゃんと支えたい」というやさしさがあります。それに気づいたとき、ケアは「技術」ではなく「関わる姿勢」から始まると、少しずつ心に沁みてきます。技術は経験のなかで育っていきますが、姿勢はあなたの“在り方”そのもの。ご本人やご家族の心に長く残るのは、技術の正確さよりも、その姿勢のあたたかさだと、私は信じています。立ち尽くすしかなかった夜のことも、含めて、すべてがあなたのケアの財産になっていきます。
そして、私が現場で繰り返し聞いてきた言葉があります。「初めての看取りは、何年経っても忘れない」——10年、20年と現場に立ってきた介護福祉士さんでも、初めての看取りの日のことは、不思議なほど鮮明に覚えていらっしゃるんです。それだけ、命に向き合う時間は、人生のなかで特別な重みを持つもの。だからこそ、初めてのいま感じている「怖い」「迷う」という気持ちを、どうかご自分のなかで雑に扱わないでください。その感情ひとつひとつが、あなたを“やさしいケアができる人”に育てていく、大切な原点です。
「できなかったこと」より「居てくれたこと」
ターミナルケアを終えたあと。



「あのとき、もっとこうすればよかった」
「何もできなかったかもしれない」
そんなふうに、自分を責めてしまうことがあるかもしれません。でも、ご本人やご家族の心に残るのは、“何をしたか”ではなく、“誰がそばにいてくれたか”という記憶です。あなたがそこに“居てくれた”こと。そのぬくもりや静けさこそが、かけがえのない支えになります。
- “後悔”ではなく、“存在”に目を向ける——できなかったことではなく、そばにいた時間に価値を見出す視点
- ベッドサイドに定期的に足を運ぶルーチンを作る——1日1回「そっと手を添える」ことを自分の習慣に
- “在り方”のエピソードを仲間と共有する——「こうしてそばにいたら安心された気がした」を話すことで自信が育つ
そばにいたあなたの存在は、何よりもあたたかく、確かな“ケア”です。どうか、「いてくれてありがとう」という言葉を、あなた自身にも届けてあげてください。
自分を責めないで|セルフケアもケアの一部
ターミナルケアに立ち会ったあと、なんとも言えない感情が心に残ることがあります。悲しみ、戸惑い、安堵、悔しさ、ほっとしたことへの罪悪感——どれも“間違い”ではなく、それだけ本気で向き合っていた証です。その感情を、無理に押し込めなくて大丈夫。少しずつ、自分の中で整理する時間を持ってみましょう。
- 日誌やメモに、思い浮かんだ言葉をそのまま書き出す
- 深呼吸・ストレッチ・あたたかいお茶など、小さな息抜きの時間を持つ
- 「ちょっとだけ話せる?」と、信頼できる同僚に声をかけてみる
- EAP(従業員支援プログラム)など、専門家の力を借りる
感情を持つあなたは、決して弱くありません。むしろ、その繊細さこそが、誰かにそっと寄り添える“強さ”になっていきます。自分の心を守ることも、ターミナルケアを続けていくうえで欠かせない、立派なケアのひとつです。
ターミナルケアの後、なぜか食欲が出ない、夜眠れない、ご利用者の表情がふと頭に浮かんで仕事に集中できない——そうした状態が数日続くようなら、それは“グリーフ反応”という自然な心の動きである可能性があります。我慢して仕事を続けようとせず、休みを取る、産業医や心療内科に相談する、職場の上長に「少しペースを落としたい」と伝える——どれも、立派な自分の守り方です。看取りに丁寧に向き合うほど、心はすり減りやすい。だからこそ、自分のケアを後回しにしない働き方を、これから少しずつ整えていけたら、と思います。
まとめ|あなたの存在そのものが支えになる
ターミナルケアに、“正解”はありません。だからこそ、ひとつずつ、あなたのペースで関わりを重ねていくことが大切です。完璧を目指さなくても大丈夫。“あなたらしさ”で向き合うことが、ご利用者の安心や尊厳に、確かに届いていきます。
声をかける勇気。手を握ったぬくもり。チームと学んだ小さな発見。それらすべてが、「怖い」と向き合ったあなたの証です。最期の時間は、医療の技術やマニュアルだけでは支えきれません。そこにいる“人と人”の、静かでやさしいやりとりが、何より深く、ご本人の心に届いていきます。
ただそばにいること。言葉にならない想いを、そっと受けとめること。それだけで、あなたは確かに“その人の人生”を支えています。どうか忘れないでください。あなたの存在そのものが、誰かにとっての、かけがえのない支えになっています。
時が経ち、ふと振り返ったとき——「怖かったけど、寄り添えた」と思える日が、きっと訪れます。その日まで、焦らず、比べず、ご自分の歩幅で進んでください。一日5分、ご利用者の手にそっと触れる時間を持てた、それだけでもう、あなたは確かにケアを届けています。あなたのやさしさは、すでに始まっています。
ターミナルケアに向き合うあなたへ|働く環境の見直しという選択肢
ここまで読んでくださったあなたに、ケアマネとして正直にお伝えしておきたいことがあります。それは——「ターミナルケアの怖さ」は、努力や根性でゼロにできるものではない、ということです。怖さや迷いは、誠実に向き合っている証。でも、その怖さを「あなた一人だけで抱え込ませる職場」かどうかは、まったく別の問題です。
- 看取りの直前直後に、看護師や医師にすぐ相談できる体制があるか
- 新人や未経験者を、いきなり一人で看取りに入らせない教育文化があるか
- 看取り後のスタッフの心のケア(デスカンファレンス等)を行っているか
- ターミナルケアの研修や事例検討会が、定期的に開かれているか
これらが整っている職場と、そうでない職場では、同じ「看取り」に向き合うときの心の負担がまったく違います。「怖さに耐えられないのは、あなたが弱いからではなく、サポート体制が整っていないからかもしれない」——これは、私がケアマネとして多くの施設と関わってきて、強く感じていることです。
「看取りに丁寧に向き合いたい」「医療と介護の橋渡しをするポジションで働きたい」——そう願う介護職の方にとって、施設選びを間違えると、中途半端な役割で疲弊してしまう、というのが正直なところです。求人票だけでは、看護体制の手厚さや看取り後のフォロー文化は見えにくいもの。だからこそ、医療系の介護求人に強い専門エージェントに、職場の内側を聞いてもらうのが近道です。今すぐ働き方を変える気がなくても、「ほかの施設はどんな看取り体制なのか」を知っておくだけで、今の職場の見え方が少し変わってきます。
私自身、ケアマネとして関わってきた施設のなかでも、看取り対応の質は本当にピンからキリまで違いました。看護師さんが24時間オンコール体制で、看取り直後にスタッフ同士が話せる「振り返りの時間」を必ず設ける施設。一方で、夜勤の介護職員が一人で看取りに立ち会い、翌朝には何ごともなかったかのように業務を回し続ける施設。どちらが正しい・間違っているではなく、あなたの感受性と価値観に合うのはどちらかを、ちゃんと選んでいい時代だと、私は思っています。
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※すぐに転職しなくてOK。「いま自分の職場の看取り体制は、平均より手厚い?薄い?」を知る“情報収集”として使うのも、賢い選び方です。
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看取りの怖さは、あなたひとりで抱えるものではありません。チーム・ご家族・多職種、そして必要なら職場そのものを変えるという選択肢まで含めて、あなたを支える土台はいくつもあります。今日この記事を閉じたあと、ほんの少し、心が軽くなっていますように。
このブログを書いている「まきこむ」と申します。
介護支援専門員(ケアマネジャー)として働きながら、趣味で創作活動も楽しんでいます。
介護にまつわる悩みや、日々の気づき、そして「やさしい未来を一緒に歩むためのヒント」を、このブログにそっと詰め込んでいます。
読んでくださった方の心が、少しでも軽くなるように。そんな思いを込めて、言葉を紡いでいます。
どうぞ、ゆっくりと遊びにきてくださいね。

















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